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2013年1月29日火曜日

レアアースのサマリウム、リサイクル、半日で、岩手大、純度96.9%。

小型モーターの磁石から
 岩手大学の山口勉功教授らは、産業機械や時計の小型モーターの磁石からレアアース(希土類)のサマリウムをリサイクルする技術を開発した。酸化ホウ素を混ぜてセ氏1200度の状態で溶かして置いておくと、素材ごとに分離する性質を利用した。従来の手法に比べて処理時間が半分の半日に短縮する。進んでいないサマリウムのリサイクル技術として有望とみており、実用化を急ぐ。
 新技術はサマリウムと希少金属(レアメタル)のコバルトの合金からサマリウムやコバルトなどを回収するのに使う。同合金の年間生産量は500トン程度で、高い温度でも使用でき、中国からの輸入に頼るネオジムを使わない強力な磁石として注目されている。
 モーターから取り出したサマリウムとコバルトの合金に酸化ホウ素を混ぜ、電炉の中でセ氏1200度で2時間かけて処理する。冷やして取り出した固体は、酸化したホウ素、サマリウムが濃縮した部分、コバルトと鉄、銅などの合金の3つに分かれる。
 サマリウムが濃縮した部分を割って取り出し、塩酸をかけて溶かす。アンモニアで水素イオン濃度(pH)を調整したうえで、化学反応の還元反応を起こすのに使うシュウ酸を加えると、サマリウムが沈殿する。セ氏400~500度で約1時間焼いて乾燥させると、粉状のサマリウム酸化物が回収できる。
 実験では、回収したサマリウムの純度は96・9%、回収率は99・96%になった。従来の硫酸や塩酸などで合金をすべて溶かす手法では、鉄との分離が難しく工程も複雑で、作業にほぼ1日かかった。山口教授は「レアアースとして十分な純度があり原料として利用できる」と話す。また、コバルトも純度99・8%で回収できたという。
 山口教授らは今後、回収装置を大型にした場合でも高い回収率を実現できるか検証するとともに、改良に取り組む。
 ▼サマリウム 銀白色の軟らかい金属で、17種類あるレアアース(希土類)のひとつ。地球の地殻の部分に存在するサマリウムは0・00079%(7・9PPM)ほどしかない。ガリウムやジスプロシウムなどを見つけたフランス人化学者のボアボードランが19世紀末に発見した。
 主に磁石に使われ、ネオジム磁石が開発されるまでは最強とされた。ただネオジム磁石はさびやすく熱にも弱いことから、高い温度での利用ではサマリウム系の磁石が広く使われている。

2013年1月24日木曜日

次期有人潜水艇、深度1万メートル超え、海洋機構が長期計画。

 海洋研究開発機構が今後15年程度の研究開発目標を盛り込んだ「長期ビジョン」を5年ぶりに改定した。海底下のメタンハイドレートやシェールガスといったエネルギー資源の利用技術を開発する。津波や高波に関する災害情報を常時発信し、防災に役立てる。
 2014年度から5年間の次期中期計画には、新型の深海潜水艇の開発を盛り込む方針。現在の「しんかい6500」を上回る1万1000メートルの深さまで潜れる有人潜水艇の開発に着手する。
 大型探査船「ちきゅう」=写真=を使い、海底下7000~8000メートルのマントル上部まで掘り抜く「マントル掘削」で世界初の成功を目指す。
 海洋機構の年間予算は約400億円。新型潜水艇の開発などを計画通りに進められるかどうかは不透明だ。

2011年7月19日火曜日

レアアース、中国、投機を監視、経産相に商務相表明――輸出枠でも譲歩示唆。

中国訪問中の海江田万里経済産業相は18日、陳徳銘商務相と会談した。経産相はレアアース(希土類)の価格高騰などの問題について改善を要求。これに対し、陳商務相は「輸入インフレを誘導する観点から望ましくない。投機的な動きは取り締まっていきたい」と価格高騰に懸念を示した。
 中国のレアアースの輸出価格は政府の管理強化で、製品によっては昨春に比べ数十倍まで高騰。レアアースは日本で自動車部品などに加工された後、中国に再輸出される事例が多い。陳商務相はレアアースの日本向け輸出価格の高騰が、中国経済にも悪影響を及ぼすとの認識を示した形だ。
 海江田経産相はレアアースの輸出量減少についても改善を要請。中国商務省はレアアースを含む鉄合金を今年下期から新たに輸出枠に含める方針で、2011年通年の輸出枠は前年比で実質縮小になる。陳商務相は「下期の鉄合金の輸出数量を精査し、必要な場合は若干の調整をする」と述べ、輸出枠についても譲歩する考えを示唆した。
 海江田経産相は会談後、記者団に対し「陳商務相はこれまでと比べて一歩踏み込んだ発言をした」と評価した。

2011年7月4日月曜日

レアアースの巨大鉱床、東大など、太平洋海底で発見

 東京大学の加藤泰浩准教授と海洋研究開発機構などは、太平洋でレアアースの巨大鉱床を発見した。海底にある泥にレアアースが高濃度に含まれ、その量は地上の埋蔵量の1000倍はあると推定。現在レアアースの約9割を中国が産出しており、先端機器を製造する日本は多く輸入して依存している。新鉱床を開発すればレアアースの安定供給につながる。
 成果は4日、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンスの電子版に掲載される。
 発見した「レアアース資源泥」は、中央太平洋のハワイの東西に広がる海域と、南東太平洋のタヒチの東の2カ所で、合計の面積は約1100万平方キロメートル。水深は3500メートル~6000メートル。
 船から管を海底におろし、泥を吸い上げるといった採掘方法を想定している。弱酸性の溶液により、泥からレアアースを数時間で簡単に分離できる。
 過去に海底探査で試料として保管されていた約80の地点の地層から分布を特定した。海水中にもともと微量含まれるレアアースがゼオライトなどに吸着し、海流に流されて集中的に積もった可能性があるという。
 泥にはレアアースの中でもモーターに使うジスプロシウムや蛍光体に必要なテルビウムなどの「重希土類」が豊富。現在重希土類の産地になっている中国の鉱床よりも高濃度に含まれる。
 この海域は公海なので、採掘には国際海底機構が鉱床として認定し、鉱区を設定する必要がある。今後、研究チームは鉱床として申請する予定。