2015年4月17日金曜日

次世代照明 ネット接続の基盤にも

 照明をインターネットに常時接続する「インターネット・オブ・シングス(IoT)」に関連した製品や技術開発が進んでいる。離れた場所からスマートフォン(スマホ)による点灯や消灯の操作をしたり、センサーと組み合わせて多数の照明を一括して効率的に管理したりしながら消費電力削減を目指す。
 スマホなどの普及に伴い、家電やお金など様々なモノがネットを通じて管理できるようになった。オフィスや倉庫など多数の照明を設置する場所でもネットを活用して効率的に管理することができるシステムが開発されている。
 その1つが東芝ライテックの照明制御システム「スマートアイセンサー」だ。画像認識技術によって人の位置などを詳細に把握しながら必要な場所だけ点灯する。NECライティングは消費電力削減などを目的として白熱灯や蛍光灯から発光ダイオード(LED)への置き換えが進むことを狙い倉庫や工場照明などをタブレットで管理するシステムを開発した。従来の照明では難しかった即時点灯や消灯ができるLEDと組み合わせて企業の省エネを支援する。
 照明をネットに接続することの利点は効率的な管理や省エネだけではない。照明を基盤にしながらネット環境を整える取り組みも出てきた。
 NECは交通機関など向けに公衆無線LAN「Wi―Fi」アクセスポイント付きLED照明を発売した。通勤や通学などで利用する際に照明を軸にしてネットを利用するための環境を整備するのが狙いだ。
 次世代照明はネット環境の整備だけでなく、観光客に向けて情報発信をしたり、非常時は緊急情報を伝えたりすることも可能だ。
 屋外照明大手の岩崎電気とミネベア、コイズミ照明が共同で設立した「MIKスマートライティングネットワーク」は街路灯や道路照明と無線通信技術を組み合わせたシステムを開発した。具体的には屋外照明などにセンサーやネットに接続することができる機器を搭載し、車の交通状況や人の行き来などといったデータを収集する。そのデータを活用して観光客や車などへ提示したり、通行が少ない時には照明を抑えたりするほか災害時の建造物の安全確認などへの応用も想定する。
 各社による照明とネットを組み合わせた製品や技術開発は今後さらに進むとみられる。省エネだけでなく人の生活をさらに便利にする手段の1つとして存在感が高まりそうだ。

太平洋セメント中央研究所第3研究部増田賢太氏――空洞の微粒子、スマホに

断熱に優れ薄型化に貢献
 太平洋セメントは、中が空洞になっている極小微粒子の開発に成功した。原料を溶かした液体を加熱すると、水分が蒸発して微粒子ができる仕組みを応用。高い精度の空洞微粒子を作り出した。スマートフォン(スマホ)の基板に塗布すれば空気膜をつくり、バッテリーの発熱から基板を保護できる。他にも様々な利用法が期待できる。
 中が空洞の新しい微粒子を開発したのは、太平洋セメント中央研究所(千葉県佐倉市)第3研究部資源VCチームの増田賢太リーダーだ。
 微粒子の直径は1~10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル。酸化アルミニウム、二酸化ケイ素を主成分とするアルミノシリケートなどで作られる。様々な無機酸化物を原料にできる。膜厚は100ナノ(ナノは10億分の1)メートル以下で、凹凸のない、きれいな球状になっている。
 中が空洞の微粒子で、ここまで小さく平滑な素材を作ることは難しい。一般的な微粒子は二酸化ケイ素を含む頁岩(けつがん)と呼ばれる岩石を砕いて粉にしたものを原料とするケースが多い。
 熱を加えると、中に含まれる有機物が燃えてガスが発生し、風船のように膨らむことで中が空洞になる。ただし、膨らむ過程で穴があいたり、表面に凹凸が出ることが難題だ。穴があくと強度が下がり、性能の劣化につながってしまう。直径も小さいもので20マイクロメートル、膜厚は1000ナノメートル以上の粒子しか作れない。
 「今までにない小さくて平滑な粒子は作れないか」。増田氏が着目したのが「噴霧熱分解法」と呼ぶ製法だった。同製法の特徴は丸くて平滑な微粒子を作り出せること。もともとは、空洞ではなく、中が詰まった粒子を作る製法の一つだ。
 原料を含んだ水溶液を霧吹きのように炉の中にふき込む。炉の内部の熱により、水溶液中の成分が析出する仕組みだ。増田氏は同製法をベースに、炉の熱や水溶液の成分といった条件を変えた。実験当初は条件を変えても中身の詰まった粒子しか作れなかったという。試行錯誤を重ねながら最適な条件を見つけ出し、2014年10月、ついに空洞の極小微粒子を作り出すことに成功した。
 「モバイル機器での展開ができないか」。増田氏は電子材料分野での展開を見込む。例えば、スマホやタブレット端末の電子基板に微粒子を塗膜する。粒子1個あたりの空気の割合は80%以上だ。
 競合他社の粒子は60%以下のため、太平洋セメントの方が断熱性能に優れ、基板を熱から守ることができる。直径が1~10マイクロメートルと小さく、端末の薄型化に役立つ。フィルムに微粒子を混ぜて使うことも可能という。
 将来は船舶や鉄道車両に使うプラスチック、複合材料の添加剤向けも視野に入れる。15年度からサンプル提供し、量産技術の確立にも取り組む。
 太平洋セメントは、セメントを構成するカルシウムやケイ素といった素材の微粒子技術を生かし、新分野への展開を加速している。中央研究所は太平洋セメントの既存事業であるセメントやコンクリート以外に、資源・環境分野で新事業を展開するための研究開発を担ってきた。パワー半導体に使う炭化ケイ素などの研究実績を残している。

水がたまり呼吸困難に、肺水腫薬、候補の物質、日大、5年メド実用化、細胞伸び隙間塞ぐ。

 日本大学の日台智明准教授らは、敗血症などで肺に水がたまって呼吸困難を起こす肺水腫の治療薬の候補となるたんぱく質の断片(ペプチド)を発見した。敗血症が原因で肺水腫を起こしたモデルマウスに投与して効果を確かめた。ペプチドの投与で細胞が伸びて液体が入る隙間を塞いだとみている。今後、製薬企業と共同で研究を進めたい考えで、5年をメドに実用化を目指す。
 研究チームはケガをすると細胞が傷を埋めるように伸びる性質に着目した。血が固まるのに必要なたんぱく質の一部を構成する「F9―AP」と呼ぶペプチドに、細胞の伸びに関わる機能を見つけた。ヒトの扁平(へんぺい)上皮がんの細胞に引っかき傷を作った後にこのペプチドを投与すると、傷を埋める速度が上がった。
 次に敗血症のモデルマウスで肺水腫の症状を再現して実験した。毒素で肺水腫を起こしたマウス群にペプチドと偽薬を分けて投与し、1時間後に肺を取り出して重さを測定した。偽薬を投与したマウスは肺に水がたまって重くなっていたが、ペプチドを投与したマウスはもとの重さに戻っていた。
 このペプチドはもともと体内に存在する物質のため、安全性は高いという。実験では投与後30分程度から効果があったため、死亡率が高い急性の呼吸窮迫症候群などにも適用できるとみている。今後、さらに大型の動物で安全性と有効性を確かめる。
 人間の肺は肺胞と呼ぶ袋状の組織に空気を入れて酸素を取り込む。毛細血管が肺胞を取りまいており、敗血症やアレルギー、心不全などの疾患が血管表面を傷つける。微小な損傷ができると、そこから血液の液体成分が漏れ出す。
 液体がたまると肺胞での酸素の取り込みが邪魔される。この状態が肺水腫であり、重症化すると呼吸困難になる。主な治療法は水分を除去する利尿剤などの投与だ。症状を改善する治療薬の開発が求められている。(八木悠介)
 ▼肺水腫 吸い込んだ空気は気道を通り、最終的に肺の中で肺胞と呼ぶ組織にたどり着く。空気中の酸素は肺胞を通じて周囲の毛細血管に送り込まれる。なんらかの原因で肺胞に水がたまってしまい、毛細血管に十分な酸素を送り込めずに呼吸が苦しくなるのが肺水腫だ。
 心臓から全身に血液を送るポンプ機能が低下して血液が肺にたまる「心原性肺水腫」と、外傷や敗血症などで起こる「非心原性肺水腫」の2種類がある。非心原性肺水腫では肺の毛細血管の内側の細胞同士で構成する壁に隙間が生じることが知られる。
 軽度の場合は利尿薬で水を取り除いたり、血管を拡張する薬を使ったりする対症療法が主流だ。重症の場合は人工呼吸器を使うが、専門の設備が必要になる。

NEDOなど、磁気軸受を搭載した超高効率モーター用分析評価装置を開発

発表日:2015年4月13日
超高効率モーター用分析評価装置を開発
―世界初、省エネに大きく寄与―


 NEDOと高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)(※1)は、モーター電磁損失の分析装置として、磁気軸受(※2)を搭載した超高精度モーター損失分析装置と薄帯状高効率鉄心材料(※3)の応力下磁気特性評価装置を世界で初めて開発しました。
 これらの装置を用いて、新規磁性材料の特性を考慮した家電、産業機械、自動車などのモーターの設計および評価を行い、エネルギー損失を従来比25%削減するモーターの実現を目指します。


【用語解説】
 ※1 高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)
  レアアースに依存しない革新的な高性能磁石の開発、さらにはモーターを駆動するための電気エネルギーの損失を少なくする軟磁性材料の開発を行うと共に、新規磁石、新規軟磁性材料を用いて更なる高効率を達成できるモーターの設計技術を開発することで、次世代自動車や家電、産業機械の心臓部であるモーターの省エネ化において競争力を確保することを目的として、2012年9月25日に設立しました。
 ※2 磁気軸受
  磁気浮上による非接触支持を行います。摩耗がないため潤滑油が不要であり、軸受の寿命は半永久的です。
 ※3 薄帯状高効率鉄心材料
  現在、鉄心に用いている電磁鋼板(厚さ0.3~0.6mm)と比べて非常に薄い薄帯(20μm(0.02mm)程度)として製造され、損失が電磁鋼板の1/4~1/3と小さい高効率の鉄心用材料です。




1.概要
 モーターの需要は、家電や産業機械向けに加えて、自動車の電動化(HEV,EV,FCV)に伴い、拡大が予想されています。このような状況の中で、モーターの省エネ化は最重要課題の一つです。産業競争力のある小型・高効率モーターを開発するためには、実機モーター組込時の磁性特性を評価する技術や構造設計技術を開発し、その性能・信頼性評価を確立することは省エネ化を実現するために必要不可欠です
 NEDOの「次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発」において、高効率モーター用磁性材料技術研究組合(MagHEM)は、モーター・磁性材料技術開発センター(※4)において、エネルギー損失を従来モーター比25%削減する高効率モーターを開発するために、高低温減磁試験評価技術と超高精度モーター損失分析評価技術、薄帯状高効率鉄心材料の磁気特性評価技術の開発に取り組みました。


2.今回の成果
(1)超高精度モーター損失分析評価装置
 これまでモーターの損失評価の誤差の原因となっていた機械損失の変動要因低減技術として、磁気浮上し、機械摩擦損失の無い磁気軸受を採用しました。磁気軸受の一方にトルク検出器を介して負荷モーターを取り付け、他方に直接供試モーターを取り付ける構造とすることで、供試モーターの取付け性に優れ、供試モーター側には機械的接触部が一切無い構造としました。これにより、高精度に安定したモーター電磁損失の測定が実現し高精度の損失分析が可能となりました。


(2)薄帯状高効率鉄心材料の特性評価装置
 次世代のモーター用鉄心素材として期待される薄帯状材料に応力を加えた際の磁気特性を評価する装置を世界で初めて開発しました。
 モーターを回すための電磁石部分を構成する鉄心は、現在は厚み0.3~0.6mmの電磁鋼板を積み上げる構造が主流ですが、この鉄心部分には将来、損失が小さいアモルファス材あるいはナノ結晶材と呼ばれる薄帯状材料が適用されると予想されています。一方、モーターの回転力を支えるために、鉄心部分を強固に固定する必要がありますが、保持する力を加えることで鉄心での損失が増加し、素材の特性が活かせない可能性があります。
 今回、髪の毛の太さよりも薄い約20μm厚の材料を折り曲げずに圧縮力を加える技術を新規に開発した結果、磁気特性の低下を定量的に評価できるようになりました。今後はこのデータを用いて、高効率な素材特性を活かしたモーターの設計を進めていきます。


3.今後の予定
 エネルギーの損失が少ない高性能軟磁性材料の開発、さらにはこれらの新規磁性材料の性能を最大限に生かして更なる高効率を達成できるモーターの開発を行い、エネルギー損失を従来モーター比25%削減する高効率モーターの実現を目指します。

JFEスチールスチール研究所主任研究員大山伸幸氏――天然ガス、コークス代替

生産効率向上、CO2減
 製鉄業は原料から高品質の鋼をどれだけ効率的に取り出せるかが収益力を左右する。JFEスチールは鉄鉱石の事前処理方法を見直し、コークスの一部を液化天然ガス(LNG)で代替してエネルギー使用量を減らす技術を開発した。中国鉄鋼大手の大量生産を背景にコスト競争は激化している。技術開発で競争力を維持する考えだ。
 鉄は鉄鉱石と石炭由来のコークスを高炉内部で反応させて取り出す。粉状の鉄鉱石をそのまま投入すると内部の熱風の流れを妨げるため、事前に少量のコークスを燃料として混ぜ、焼き固めて焼結鉱にする。
 幅5メートル、長さ数十メートルの巨大なベルトコンベヤー上で燃やされた焼結鉱のうち、高炉に投入できるのは一定の強度がある約8割。約2割が不良品として再び焼結工程に入れられていた。
 「歩留まりを高めるにも二酸化炭素(CO2)排出量を減らすにも、コークスにはこれ以上頼れない」。スチール研究所福山地区で上工程の製造技術を研究する大山伸幸主任研究員は、新技術「Super―SINTER(スーパーシンター)」でLNGを採用した経緯をこう説明する。
 旧川崎製鉄時代の研究で、歩留まりが悪い主因は最適な燃焼温度が維持できていない点である事は判明していた。良質な焼結鉱はセ氏1200~1400度で燃やすと生成するが、自然燃焼に任せる従来法では短時間しか保てず、良質品は2割しか製造できない。
 「気体燃料を原料の上部から吹き込み内部に送り込めば自在に温度制御できるのでは」。大山氏は研究所内で試験装置を製作。粉状の鉱石の隙間にLNGを確実に送り込むため、最適な吹き出し速度やLNGの量、ノズルの形状などを選定した。コークスの使用量は8%減った一方で適正温度維持の時間は約2倍に延びた。CO2排出量は焼結機1台あたり年間6万トン減らせる。
 高熱の鉄鉱石にLNGを吹き付ける方法に、社内からはリスクが高いと懸念する声も上がった。実用化を後押ししたのは2003年に川鉄と旧NKKと経営統合し、「燃焼系の研究に強い」(大山氏)旧NKKの研究部門と知見を共有できたためだ。
 旧NKKの拠点だった東日本製鉄所京浜地区(川崎市)は隣接する東京ガス工場から高炉へLNGを供給するパイプラインがあったことも開発を加速した。実用化第1号機には京浜地区の焼結機が選ばれ、09年に量産に成功。全国4地区の焼結機に順次導入が進んだ。
 さらなる生産効率アップのため、LNGに加え酸素ガスも吹き込む次世代機も14年に開発済み。歩留まりは9割に改善し生産スピードも高まった。良質品も約4割と「理論値に近い」(大山氏)水準に達している。
 世界で採掘される鉄鉱石は今後、粒子が細かく鉄の含有率の低い鉱石がさらに増える見通し。原料の事前処理技術はコスト改善のためにいっそう重要となる。微粉状の鉱石は焼結時間がより多くかかるためだ。大山氏は「造粒方法などさらなる技術開発を続けたい」と語る。原料の低質化に技術開発が間に合うか、時間との争いが続く。(林さや香)
〈施設概要〉
▽設立時期 2003年4月
▽場  所 広島県福山市など全国6カ所
▽人  員 890人
▽事業分野 製銑、製鋼、圧延など上工程の技術開発および鋼材製品開発

炭素素材、水に均一分散、東北大、細胞培養など応用。

 東北大学のアハディアン助教や末永智一主任研究者らは、シート状の炭素素材であるグラフェンを効率良く水に分散させる技術を開発した。人体に有害な薬剤を使わないため、体内に埋め込んで薬を標的の組織に届ける薬物送達システムや、細胞を培養する培地に応用できるという。動物やその細胞で安全性を確かめ、実用化につなげたい考えだ。
 研究チームはグラフェンの材料となる黒鉛と、ウシの血液から取れるたんぱく質のアルブミンを濃度を厳密に調整して混合した。そこに超音波を照射し、均一にグラフェンが分散した溶液を調製した。
 溶液を乾燥すると表面にナノレベルの凹凸が生じた薄い膜ができた。細胞がしっかり接着するため、培地に向くとみている。高分子ゲルに混ぜて導電性を高め、電気刺激で成長が進む筋細胞を育てることも可能という。
 炭素原子が平面に並んだグラフェンは、炭素のかたまりである黒鉛を一層ずつ〓がして作る。従来は効率良くグラフェンを作り、水中に均一に分散させるのが難しかった。

疲労度、貼るだけで測定、東海大、ガステックと小型センサー、微量なガスで、ろ紙の色変化。

 東海大学の関根嘉香教授はガス検知管製造のガステック(神奈川県綾瀬市)と共同で、体の一部に貼るだけで疲労の度合いが分かる手のひらサイズのセンサーを開発した。皮膚から出る微量なガスをろ紙に集めて色の変化を見る仕組みだ。職場の健康管理などに使えるという。ガステックが年内にも1個数百円程度で製品化する予定だ。
 筋肉が疲労すると、代謝産物の乳酸やアンモニアが作られる。乳酸は体内にたまり筋肉痛の原因になるが、アンモニアは皮膚から揮発する。研究チームはこのアンモニアに着目し、筋肉疲労の指標にしようと考えた。
 開発したセンサーは大きさ直径約4センチ、厚さ約1センチ。アンモニアの量によって色が変化する試薬を開発し、ろ紙に含ませる。数十マイクロ(マイクロは100万分の1)グラムたまると色が赤から黄色に変わる仕組みだ。皮膚とろ紙が直接触れないようにセンサー内に隙間を作った。
 これまでに20~60歳代の健康な40~50人の腕にセンサーを付けて実験した。まず安静時のアンモニア量を測定し、その後、平常時の20%程度心拍数が上がるまでウオーキングをして疲労を模擬した状態にする。運動後のアンモニア量と色の変化をみることで、疲労の度合いを把握できたという。
 研究チームはアンモニア以外のガスを調べることで、生活習慣病対策にも展開できるとみている。アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドで飲酒履歴を突き止められ、アセトンで脂肪の燃焼の程度を判定できるという。
 ヒトの呼気や皮膚から出るガスは、血液並みに重要な生体情報をもつ。呼気を一日のうちに何度も調べるのは面倒だが、皮膚から出るガスの検出は特別な動作をする必要がないことから、負担の少ない検査方法として期待されている。