九州大学生体防御医学研究所と国立遺伝学研究所などは、哺乳動物の赤ちゃんが成長するときに欠かせない遺伝子が、生殖細胞の段階でプログラミングされる仕組みを発見した。生殖細胞だけに存在する小さなRNA(リボ核酸)の一種が遺伝子のDNA(デオキシリボ核酸)の一部に働くことをマウスの実験で確認した。
マウスの精子の元になる精原細胞の中から、約100万個の小さなRNAを取り出し、次世代シーケンサーで配列を解読した。その結果、piRNAという小さなRNAのひとつが、精原細胞の中に数百個あることがわかった。piRNAの配列が、赤ちゃんの成長に不可欠なRasgrf1という遺伝子のDNA配列の一部にそっくりであることも突き止めた。