東北大学の中山耕輔助教と高橋隆教授らは、電気抵抗ゼロの超電導現象が生じる臨界温度が、これまでの記録を更新する可能性があることを突き止めた。結晶構造を改良して超電導を阻害する電子状態を取り除けば、臨界温度は絶対温度150度(セ氏零下123度)まで高まる可能性があるという。
米ボストン大学、中国科学院物理研究所との共同成果。内容は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載した。
鉄系と呼ぶ超電導材の電子状態を角度分解光電子分光と呼ぶ技術で詳しく解析した。その結果、この超電導材料の臨界温度は同26度だが、同150度あたりまで超電導を担う電子が不足し、超電導になりにくくしている状態を見つけた。
コンピューターシミュレーション(模擬実験)によって、材料の結晶構造を改良して電子不足の状態を除けることがわかった。今後、共同研究者の中国科学院でシミュレーションした材料の合成に着手する。
超電導材の臨界温度は銅酸化物系の同135度が最高記録。銅酸化物系では同300度(セ氏27度)の室温まで電子不足らしい状態が確認されているが、室温超電導材はまだできていない。
0 件のコメント:
コメントを投稿