豊橋技術科学大学の武藤浩行准教授は6日、絶縁体の樹脂を電気が流れるよう改良する新技術を開発したと発表した。樹脂の粒子と導電体の粒子をそれぞれ正と負に帯電させて混ぜる。成形すると透明性を保ったままどの方向にも電気が流れる材料を作れる。様々な異種原料同士の組み合わせに応用できるという。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの成果。電機や食品メーカー6社と応用に向けた共同開発に着手した。
今回、電気がよく流れるアクリル樹脂を作ることに成功した。樹脂の微粒子を陽イオンの分散剤、導電性があるカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)を陰イオンの分散剤に入れてそれぞれを正と負に帯電させた。両者を純水中で混ぜると樹脂の表面にナノチューブが均質に付着した。
この粒子を型に入れて加熱圧縮すると導電性材料になる。黒色のナノチューブの配合量は、樹脂に対して1万分の1以下と少ないため透明性を保つ。新技術は他の粒子同士にも応用でき、例えば砂糖を塩で覆ったような調味料の作製も可能だという。
0 件のコメント:
コメントを投稿