2011年7月7日木曜日

有機エレ、実用化の研究拠点、山形大、基礎と両輪体制

山形大学は、山形県米沢市内に有機エレクトロニクス分野の実用化研究拠点を建設する。2013年春の本格稼働を見込む。同大は今春、基礎研究を担う「有機エレクトロニクス研究センター」を開設したばかり。結城章夫学長は会見で「基礎研究から産業化まで踏み込むことで世界的戦略拠点づくりが大きく前進する」と強調した。
 新拠点は「有機エレクトロニクスイノベーションセンター」(仮称)。米沢オフィス・アルカディア(米沢市)内に整備する。約1万平方メートルの敷地に延べ床面積約3800平方メートルの研究棟を建設。空気清浄度が極めて高い「クラス10000」のクリーンルームを核に、実験室や事業化支援室などを設ける。土地代も含めた総投資額は約16億円。
 主な研究テーマは同大が強みとする有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)のほか、有機太陽電池、有機トランジスタなど。従来の真空蒸着方式に代わり、量産に向く印刷技術を応用した次世代有機デバイスの製造プロセスの確立などに取り組む。
 昨年来構想を詰めてきたが、経済産業省の「イノベーション拠点立地支援事業」に今月1日付で採択された。施設整備費の約3分の2の補助が確定し、早ければ年内にも着工する見通し。
 今春開設の有機エレクトロニクス研究センターには有機EL研究の第一人者、城戸淳二教授ら国内外の一流研究者が結集している。同大は両センターを車の両輪と位置付け、基礎研究から実用化研究まで一貫した体制づくりを目指す。

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