理化学研究所などの研究チームは、アルツハイマー病の進行を早める原因物質を特定した。脳の組織に蓄積するペプチド(たんぱく質の断片)の一種で、このペプチドが多いと発症年齢が早まることを確かめた。病気の進行の仕組み解明や新しい治療法の開発につながる成果。詳細は4日、米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス(電子版)に掲載される。
理研と同志社大学、滋賀医科大学などの共同研究の成果。
脳細胞が死んで脳が萎縮するアルツハイマー病は、アミロイドベータ(Aβ)というペプチドが脳に蓄積することが発症原因の1つとされる。Aβは長さが異なる複数の種類があり、これまでは主に「Aβ40」と「Aβ42」が研究されてきた。
研究チームはアルツハイマー病患者の脳を詳しく調べ、よりアミノ酸の数が多い「Aβ43」というペプチドも脳に蓄積していることに注目。Aβ43が過剰にできるマウスを遺伝子組み換えで作ると、アルツハイマー病の症状が急激に進むことを確かめた。Aβ43は脳にたまる蓄積物の「核」になり、他のAβ40やAβ42を蓄積させやすくすることを明らかにした。
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