京都大学の小泉昭夫教授や岡山大学の阿部康二教授らは脊髄(せきずい)小脳変性症の原因遺伝子を見つけた。特定の遺伝子に変異があると、小脳の細胞内に異常が起こり、小脳の障害などを引き起こしていた。予防法や治療法の開発に役立つ成果という。
脊髄小脳変性症にはさまざまな種類があり、原因遺伝子がいくつか見つかっている。小泉教授らは患者の遺伝子を解析し、脊髄小脳変性症の患者の中に遺伝子「NOP56」の異常により、症状の出た例があることを突き止めた。
NOP56の一部に大きな繰り返し配列があるとたんぱく質を合成する工程に異常が起こり、小脳の細胞内にRNA(リボ核酸)が蓄積する。それによって小脳の障害や筋肉などを動かす神経細胞に異常が起きていた。
今後は患者の細胞をもとに新型万能細胞(iPS細胞)を作製し、神経細胞などに分化させることで病態の再現を目指す。メカニズムを詳細に解明し、蓄積するRNAの分解する化合物などが見つかれば、治療薬になる可能性があるという。
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