2011年7月11日月曜日

宇宙開発、変わる勢力図――ロシア、「大国」へ新基地、中国、計画目白押し

米スペースシャトルの退役でISSを往復する唯一の有人宇宙船保有国として存在感が高まるロシア。年内には新たなロケット打ち上げ基地に着工し「宇宙大国」の地位固めを狙う。
 ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)は5日、極東アムール州政府との間でボストーチヌイ基地建設に関する合意文書に署名した。4000億ルーブル(約1兆2000億円)近い総工費を投じ、2015年の稼働を目指す。
 ソユーズを打ち上げる隣国カザフスタンのバイコヌール宇宙基地など他の基地依存を減らし、ロシアの宇宙ロケットの半分近くをボストーチヌイ基地で発射。有人宇宙船を19年までに打ち上げ、繰り返し利用可能な宇宙船の開発も行う予定だ。
 メドベージェフ大統領は宇宙開発を最重要の政策課題の一つに掲げる。1990年代には経済混乱で停滞したが、景気の回復を受け「新たな巨大な国家プロジェクト」(プーチン首相)を始動させる。
 【北京=品田卓】中国は今年後半に宇宙ステーション「天宮1号」を打ち上げるほか、月面基地や火星探査にも動き出した。
 中国独自の宇宙ステーション計画は天宮1号に続き宇宙船の神舟8号を打ち上げ、ドッキングテストをする。12年に神舟9号と10号を上げ、宇宙基地の基礎を築く。16年までに実験室を打ち上げて中規模実験の環境を整え、20年前後には実験モジュールを打ち上げる。
 宇宙開発での成功は国威発揚や軍事的優位にも直結するとあって、中ロ両国は米国への対抗色を強めている。

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