2013年1月30日水曜日

送電ロス極小の超電導線、古河電工、30年耐久確認。

 古河電気工業は29日、27万5000ボルトの高電圧送電が可能な超電導線の実証実験で、30年間の送電にも耐える耐久性能を確認したと発表した。超電導線は送電時の電力ロスがほとんどなく、スマートグリッド(次世代送電網)のカギとなる技術。高電圧を流す地中送電線などへの導入を視野に開発を進め、2020年前後の実用化を目指す。
 実証実験は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などとの共同で、古河電工の中国子会社で昨年から実施していた。長さが30メートルの超電導線に通常の送電環境下で30年分にあたる高負荷を与えて実験をしたが、部分放電などの製品劣化は見られなかった。
 実験した超電導線は1回線で大規模発電所1基分にあたる150万キロワットの送電が可能。従来のケーブルでは3回線が必要だったが、回線数の削減により、敷設コストは半分程度。また送電ロスも4分の1程度に抑えられるという。
 古河電工は国内の高圧送電網が更新時期を迎える20年前後の実用化を視野に生産技術の開発などを進める。また新興国などの海外インフラへの展開も模索していく。

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