2015年4月21日火曜日

GE、日本でLED照明、岩崎電気と競技場向け、月内に販売、五輪需要にらむ。

米ゼネラル・エレクトリック(GE)は陸上競技場や体育館などで使う発光ダイオード(LED)照明事業で日本に参入する。岩崎電気と組み、月内に販売を始める。競技場向け照明は現在、水銀灯が主流だが、2020年の東京五輪開催に合わせた施設整備により省エネ性能が高いLEDの採用が加速する見通しだ。ロンドン五輪などの実績をテコに、19年までの累計で50億円以上の売上高を目指す。
 GEはロンドン五輪で競技場の客席に使うLED照明を供給した実績がある。フィールドを照らす照明も開発済みで、16年のブラジル・リオデジャネイロ五輪でも一部競技場へ納入する計画だ。
 GEは日本市場でオフィスや工場に使う業務用LED照明を販売しているが少量にとどまっていた。五輪を機に立ち上がる大型照明市場をとらえ、日本に本格参入する。
 GEが照明の製造・販売を手掛け、岩崎電気が施工と管理を担う。両社は日本で1973年から競技場向け照明機器を合弁で手掛けている。GEは日本国外工場のほか、埼玉県鴻巣市の合弁工場でLED照明を生産、自社での販売に乗り出す。
 汎用品からオリンピック仕様の特注の一点物まで数万~数百万円と幅広い製品を手掛ける予定だ。施工する岩崎電気はバレーボールや水泳など競技ごとに異なる取り付け方にゼネコンなどと連携して対応する。
 東京五輪では建設予定の新国立競技場や有明アリーナなど、ほぼ全ての競技施設でLED照明を使う。19年ごろまでの累計で関連市場規模は100億円以上に膨らむと見ており、GEはその半分以上を獲得したい考え。
 五輪施設の照明は輝度や明るさの均一性など独自の基準がある。GEは電子回路とLED素子の擦り合わせ技術により、高輝度で光が均一に広がりやすい照明を開発した。消費電力も水銀灯に比べ半減した。
 国内の水銀灯照明はパナソニックや東芝など日本メーカーが独占しているが、競技場向けの大型LED照明の事業化は遅れている。LEDは調光や調色が可能でコンサートの照明としても兼用できる。五輪施設への納入を足がかりに、GEは全国の体育館などで照明の更新需要を取り込む。
 GEは国際オリンピック委員会の公式スポンサーで、オリンピックでしか使わない仮設設備では照明分野の優先権がある。施設の建設を請け負うゼネコンから国立競技場など長期使用する施設でどれだけ受注できるかが焦点になる。

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