2011年7月13日水曜日

炭素繊維から板バネ、兵庫工技センターなど、織物の設備を活用。

 兵庫県立工業技術センターは県内の繊維関連企業や同志社大学と、炭素繊維から産業機械用の板バネを作る技術を開発した。兵庫県はワイシャツなどの素材となる布「播州織」の産地。今回、布を織る設備を使って鉄のように硬い素材を作ることに成功した。人件費などコストの低い海外製品との競合が厳しくなっている地場産業の技術革新策として注目される。
 同センターの出先機関である繊維工業技術支援センター(西脇市)と、織布会社の藤邦織物(同)と、縫製を手掛ける宮田布帛(同)が中心となって開発した。宮田布帛がミシンで炭素繊維とポリエチレンの糸をより合わせて1本にまとめ、藤邦織物が布状に織った。
 布に熱と圧力をかけるとポリエチレンが溶けて板状になる。これを8枚重ねると2ミリ弱の厚さでも鉄並みの硬さとなり、鉄の5分の1の軽さの素材が作れるという。
 炭素繊維を板状にした素材はすでに存在するが、摩擦に弱い炭素繊維に対応した設備が新たに必要だった。今回の方法だと、ほとんど既存設備で対応できるという。今後は運搬機器のバネ材としての実用化を目指すほか、将来は自動車部品にも活用したい考えだ。

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