2011年7月13日水曜日

日興、塩害向けコンクリ防食剤、塗布で寿命3倍50年、まず五洋建設に納品。

 建築資材の日興(東京・杉並、塩田哲康社長)は、塗布すれば岸壁コンクリートの寿命が3倍の約50年に延びる「防食剤」を開発した。配合成分の分子をきめ細かくすることで塩水が鉄筋に染み込むことを防ぐ。すでに港湾工事を得意する五洋建設への納品が決まった。東日本大震災で被害を受けた海岸部の復興需要も見込んでいて、3年後をメドに年間5億円の販売を目指す。
 防食剤は液体ガラスでつくった。主成分であるケイ酸やシランの配合を工夫して、分子構造を従来品の10分の1にした。分子の“網の目”が細かくなることで、これまで岸壁コンクリートに染み込んでいた塩水を防ぐ仕組み。
 工事費を含めた価格は、塗布面積1平方メートルあたり4900円。五洋建設には年間10万平方メートル分を納める予定。月内には、国土交通省が構築したNETIS(新技術情報提供システム)に登録されるため、販売代理店も積極的に募る。
 日興は1991年の設立。従業員は24人で、2010年8月期の売上高は3億円。電子部品のコーティング剤から建材の塗装材まで約60種類の商品を手がけている。
 コンクリート関連では2004年、凍結防止剤を開発済み。北海道や東北地方などに納めていたが、顧客からは塩害対策を求める声が多かったという。

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