2011年7月13日水曜日

ガラス並みの強度と光透過、スマホ向けフィルム、昭電、試験プラント完成。

 昭和電工は12日、大分コンビナート(大分市)で建設していた特殊樹脂フィルム「ショウレイアル」の試験プラントが完成したと発表した。ガラス並みの強度と光の透過率を実現できるため、スマートフォン(高機能携帯電話)のタッチパネルの表面保護カバーとしての需要を狙う。
 新プラントは年数十万平方メートルの生産能力をもつ。投資額は7億円強。スマートフォン関連会社への売り込みを強化し、一定の顧客を獲得した段階で本格的な量産設備を建設する。2020年までに年間売上高200億円の事業に育成する計画。
 ショウレイアルはメガネレンズ向けで培った分子設計技術を発展させて開発したフィルム。鉛筆の芯などの硬さを示す数値では5Hと一般的な樹脂フィルムの2倍、厚さは100マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルと、ガラスの半分以下になる。
 4月中旬に都内で開催した商品展示会では、国内外のスマートフォン関連企業200社から問い合わせを受けたという。
 現在、スマートフォンのタッチパネルの表面保護カバーはガラス製が主流で、米コーニングの「ゴリラガラス」と旭硝子の「ドラゴントレイル」の2つのブランドが市場をほぼ二分している。昭和電工と同じく化学メーカーが薄さ、軽さ、加工性などで特徴を出した樹脂フィルムで市場参入を狙っており、今後は激しい競争が予想される。

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