2013年1月24日木曜日

ヒトiPSで毛包再生、慶大、マウス実験、男性脱毛症の治療に期待。

 慶応義塾大学の大山学専任講師と岡野栄之教授らはヒトのiPS細胞を使い、毛を作り出す「毛包」と呼ぶ組織の一部を再生することにマウス実験で成功した。男性の脱毛症などの治療に役立つ可能性がある。成果は米科学誌ジャーナル・オブ・インベスティゲイティブ・ダーマトロジー(電子版)に発表した。
 研究チームはヒトのiPS細胞から、毛包を形成する細胞「ケラチノサイト」になる一歩手前の前駆細胞を育てた。これを毛の作製を促すマウスの線維芽細胞と混ぜ、実験用マウスの皮膚に植えた。2~3週間後に毛包の一部が体内で再生し、毛髪も作られていた。
 ヒトのiPS細胞から作った細胞が、毛包の構造を担っているのも確認した。今後は、マウスの細胞を使わずに、毛包を再生する技術の開発を目指す。再生した毛包は発毛剤などの開発にも役立つと期待している。
 脱毛症に対しては、自分の毛包を採取して植毛する手法などがあるが、毛包の数を増やすことはできず限界があった。

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