2011年7月15日金曜日

骨髄提供者の免疫細胞、患者臓器の攻撃抑制―感染症リスク低減に期待。

 骨髄移植や臓器移植の場合、患者の免疫システムが体内に入ってきた提供者の骨髄や臓器を異物と認識する免疫反応と、患者の体内に入った提供者の免疫細胞が患者の体そのものを異物と認識する免疫反応の両方が起き、ともに移植の際のリスクとなる。
 骨髄移植の際には提供者の免疫細胞が患者の臓器を攻撃する「移植片対宿主病」などが発症するため、これを防ぐために免疫抑制剤を投与する。ただ現在の一般的な免疫抑制剤は幅広く免疫を抑制するため、感染症にかかりやすくなるほか、白血病を再発しやすくなるとされる。
 新薬候補は提供者由来の免疫細胞と患者の臓器の間でのみ免疫抑制の機能が働く。白血球の型が一致しない提供者からの移植片対宿主病のリスクを下げつつ、骨髄移植後の感染症や再発のリスクを小さくすることが期待できる。
 こうした免疫抑制剤はなく、製品化できれば世界で初めてになる見通し。骨髄移植に加え、臓器移植でも使われるようになればさらに市場拡大が見込めるとみている。

0 件のコメント:

コメントを投稿