2013年1月29日火曜日

米サンフランシスコに拠点、電通国際、先端VBと研究、アプリ開発、アジアも視野。

 電通国際情報サービスは米サンフランシスコにIT(情報技術)に関する研究開発拠点を設立した。米国のITベンチャーなどが開発する最新の技術を現地で発掘。電通国際が持つ技術と組み合わせ、新しいサービスやアプリケーション(応用ソフト)の開発を目指す。日本だけでなくアジアでの販売も視野に入れ、米企業との共同開発案件を増やしていく。
 設立したのは「ISIDアメリカ・サンフランシスコオフィス」。同社が研究開発専門の海外拠点を設置するのは初めて。ニューヨークにある現地法人、ISIDアメリカの傘下として位置付ける。代表はISIDアメリカの高橋英昌社長が兼任し、当面は数人体制だが、今後現地の採用を増やしていく予定。
 シリコンバレーに近いサンフランシスコには、ネットやソーシャルメディア、スマートフォン(スマホ)などを活用した最先端のサービスを提供するIT企業が多く集まる。拠点を構えることで、デザインや新たな技術に関する動きを把握し、現地企業と密接にコミュニケーションがとれる体制にする。
 同社はこれまでも米国IT企業の新しいサービスやアプリケーションを日本で販売してきた。カリフォルニアのネット会社、スピギットが開発した社内SNS(交流サイト)は、電通が日本仕様にカスタマイズし、2011年から販売している。日本ではモスフードサービスや全日空が導入した。
 現在進行中の案件も含め、米国企業との共同プロジェクトは30以上に及ぶ。現在は主に日本で販売しているが、今後は中国やタイなど、アジア地域でも積極的に販売していく。
 電通国際はアメリカのほか中国や英国など、海外5カ所に現地法人を構えている。4月にはインドネシアとタイにも開設する予定で、アジアの成長に合わせてグローバル事業の拡大を経営の柱に据える。15年度までに海外での売上高を11年度に比べ6割増の100億円に拡大することを目指している。

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