2011年7月12日火曜日

変わる日本の科学技術意識調査から(5)産業競争力に強い危機感

アジア勢が追い上げ
 文部科学省の意識調査では、中国や韓国などアジア勢に対する日本の産業競争力について、研究者が強い危機感を持っていることが明らかになった。バイオテクノロジーやものづくりの技術など日本が強みを持つ分野であっても、数年以内に優位を失うとする見方が多く、競争力強化につながる研究戦略が必須と言えそうだ。
 中韓、シンガポール、台湾に対する日本の産業競争力は2015年にどうなるか、という質問に対し、情報通信や医療・バイオ、ものづくりで日本が追い抜かれると懸念する結果が出た。
 ナノテクノロジー・材料やエネルギーなどの分野でも追い上げられ、同等になるとの見方が多かった。
 研究者が日本の競争力が落ちるとみる背景には、国際会議で積極的な発言が目立つなど、中国や韓国の若手が示す研究への貪欲な姿勢がある。神戸大学の中村昭子准教授は「惑星探査や有人宇宙飛行など宇宙開発の分野でも中国の勢いが目立つ」と指摘する。

0 件のコメント:

コメントを投稿