照明をインターネットに常時接続する「インターネット・オブ・シングス(IoT)」に関連した製品や技術開発が進んでいる。離れた場所からスマートフォン(スマホ)による点灯や消灯の操作をしたり、センサーと組み合わせて多数の照明を一括して効率的に管理したりしながら消費電力削減を目指す。 スマホなどの普及に伴い、家電やお金など様々なモノがネットを通じて管理できるようになった。オフィスや倉庫など多数の照明を設置する場所でもネットを活用して効率的に管理することができるシステムが開発されている。 その1つが東芝ライテックの照明制御システム「スマートアイセンサー」だ。画像認識技術によって人の位置などを詳細に把握しながら必要な場所だけ点灯する。NECライティングは消費電力削減などを目的として白熱灯や蛍光灯から発光ダイオード(LED)への置き換えが進むことを狙い倉庫や工場照明などをタブレットで管理するシステムを開発した。従来の照明では難しかった即時点灯や消灯ができるLEDと組み合わせて企業の省エネを支援する。 照明をネットに接続することの利点は効率的な管理や省エネだけではない。照明を基盤にしながらネット環境を整える取り組みも出てきた。 NECは交通機関など向けに公衆無線LAN「Wi―Fi」アクセスポイント付きLED照明を発売した。通勤や通学などで利用する際に照明を軸にしてネットを利用するための環境を整備するのが狙いだ。 次世代照明はネット環境の整備だけでなく、観光客に向けて情報発信をしたり、非常時は緊急情報を伝えたりすることも可能だ。 屋外照明大手の岩崎電気とミネベア、コイズミ照明が共同で設立した「MIKスマートライティングネットワーク」は街路灯や道路照明と無線通信技術を組み合わせたシステムを開発した。具体的には屋外照明などにセンサーやネットに接続することができる機器を搭載し、車の交通状況や人の行き来などといったデータを収集する。そのデータを活用して観光客や車などへ提示したり、通行が少ない時には照明を抑えたりするほか災害時の建造物の安全確認などへの応用も想定する。 各社による照明とネットを組み合わせた製品や技術開発は今後さらに進むとみられる。省エネだけでなく人の生活をさらに便利にする手段の1つとして存在感が高まりそうだ。
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