2011年7月19日火曜日

理研と名大、高い分解能で観察、0.054ナノメートル、原子間より短く。

 理化学研究所と名古屋大学のグループは、世界最高性能の分解性能を持つ光学顕微鏡の開発につながる技術を開発した。エックス線を構成する光子が物質に衝突するとまれに2つの光子に分裂する現象を応用することで実現した。成果は17日付の英科学誌ネイチャー・フィジックス(電子版)に掲載された。
 研究グループは、エックス線を物質に照射すると1千億分の1の確率で光子が2つに分裂する現象に注目。波長が0・112ナノ(ナノは10億分の1)メートルのエックス線をダイヤモンドに照射すると、0・113ナノメートルのエックス線領域の波長を持つ光子と20・6ナノメートルの極端紫外光領域の波長を持つ光子になる。
 極端紫外光の光子を検出することで、一般の物質の原子間距離より短い0・054ナノメートルの分解能でダイヤモンドを観察できたという。光子の分裂の頻度を高めるため、大型放射光施設「SPring―8」を使った。
 物質に当たった光を観察する光学顕微鏡と原理は同じ。光学顕微鏡の分解能はこれまで数百ナノメートルとされていた。

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