東レは、独自に開発したクローン病などの炎症性腸疾患の治療薬の第2相臨床試験(治験)を欧州で始めた。中~重度の患者約400人に長期間投与し、下痢や腹痛、血便などの症状に改善効果があるか調べる計画。効果が確認されれば2013年にも日本を含めて第3相臨床試験を始め、17年ごろに新薬としての承認を目指す。
東レが開発したTRK―170は、低分子化合物で口から飲む。炎症性腸疾患の原因といわれるT細胞(白血球)の表面の特定の受容体に結合してT細胞が血管の外に出るのを防ぐ。T細胞が血管の外に出て腸の粘膜に集まると炎症や潰瘍などを起こす。
09年10月から欧州で実施した第1相臨床試験では、症状が軽い患者18人を含む50人に投与、大きな副作用はなかった。
炎症性腸疾患は潰瘍性大腸炎とクローン病の総称。患者数は世界で約250万人。10~20代で発症することが多く再発を繰り返す。国内の患者数は09年度で約14万人。現在はステロイドなどが使われている。
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