中央大学の庄司一郎教授らは、半導体の微細加工などに使う深紫外レーザー光の変換効率を高める技術を開発した。レーザー光の波長を変換する結晶の配置と接合法を改良し、従来より60%多く変換できることを確かめた。今後の改良で効率をさらに引き上げられるとみている。深紫外光の実用化にはずみをつける成果といえそうだ。 成果は22日まで米国ハワイ州で開く非線形光学の国際会議で発表する。 深紫外光は、波長が約200ナノ(ナノは10億分の1)メートル~300ナノメートル。ホウ酸バリウムの結晶に同500ナノメートル前後の緑色レーザー光を通して波長を半分にする。今回、厚さ0・4ミリの結晶を24枚重ね、両端を同0・2ミリの結晶で挟んだ素子を試作し、隣り合う結晶同士が原子レベルで結合するようにした。これまでの素子は、同じ厚さの結晶を2枚張り合わせて作っていた。 深紫外光はエネルギーが高く、半導体の微細加工に使えるうえ、波長が生物の細胞に作用しやすく、殺菌や有害化学物質の分解にも期待されている。しかし光源の緑色レーザー光の発生効率が低いうえ、深紫外光への変換効率が低いことから産業利用が遅れている。 |
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